2019/02/15(金)マネーフォワード導入
ついにマネーフォワードを導入した。これまでも存在自体は知っていたが、銀行関係だとパスワードだけでなく乱数表を提出させるなど、セキュリティ上流石にアカンやろみたいなことを堂々と要求してくるので敬遠していた。
ところが、どうも最近は銀行側がAPIのトークンを発行するようになったみたいで、それならば安全だろうと思い登録した。銀行口座、クレジットカード、ポイントなど何枚か登録したが、全部集計してくれてジャンル分けまでしてくれる。また、自分の使っているサービスもほぼ全て対応していて、集計結果にも納得性があったのが良いと思う。
お金の使い道に見えていなかったことが見えてきて、自己分析ってやっぱり必要だなぁと笑
2019/02/13(水)問十二,夜空の青を微分せよ.街の明りは無視してもよい
TVでプレバトという芸能人が俳句を作り順位を競い合う番組を見ていてふと思い出した短歌がある.(短歌と俳句では全然違うのだが...)
問十二、夜空の青を微分せよ。街の明りは無視してもよい 川北天華
この短歌をはじめて見た時,きれいな情景が浮かび上がってきて感動したのを覚えている.本来,こういう作品の解釈みたいなものを書くのは野暮なことかもしれないが,いくつかある首評がどれも自分にとっていまひとつ足りていない気がしてならず,もったいない気がしてならないので書いてみたいと思う.
まず,夜空の青というのはどういう意味か.通常,夜空というのは青ではなく黒だと思われるかもしれない.しかし,夜に至るまでの空の色というものをよくよく見ると実は空は青い.夕方になり日没が近づくと太陽とその周りの空は徐々に赤くなっていき,そして日が沈むと赤が抜け白になり,青くなり,暗闇になると星が輝きだす.作者の言う夜空の青とはこの日没から暗闇に至るまでの間,専門用語で言うと「薄明」のことを言っているのだろう.
そうすると続きの微分の意味がすこしわかってくる.薄明の時間というのはものすごく短いのだ.その間に同じ青でも明るく薄い青から暗くて深い青へとダイナミックに変化していく.微分とは数学的な定義に基づくと勾配,つまり変化の割合の事をいうのであるから,「夜空の青を微分せよ」というのは薄明における空の色が変わっていく様を極めて緻密に表現した結果なのである.
ここまでの話はほとんどの首評にも同様のことが書かれている.ところが,この薄明時の空というものをもう少し注意深く見てみるともう少し違ったことに気づく.実は空の色は一様ではない.いわゆる夕焼けのように一度赤に染まり,青くなっていくのは太陽の沈む東の地平線に近いところだけなのだ.空の高い所や,北や南の空というのは青空から赤になることなく徐々に深い青になっていく.また,西の空は一度暗い赤に染まるが,太陽から遠いこともあり色が抜けるとそのまま暗闇に落ちていく.これらはレイリー散乱とミー散乱の散乱分布や波長依存性からも説明されるがここでは説明しない.このように一言に夜空の青といっても見ている方角や高さによって全く違う色をしている.よって微分を時間的だけでなく空間的な意味でとらえることもできる.
下の句の「街の明かりは無視してもよい」は夜空の青を微分するにあたって街の明かりが邪魔であることを表している.通常,数学の問題で~してもよいというのは~しないと問題が解けないというのがお約束である.つまり,夜空の青というのが街の明かりを無視しないとわからないような深く黒い青であるということが連想される.
最後に問十二である.なぜ十二であるかについては色々考えられるが,個人的には黄道12星座からきていると思う.黄道とは空における太陽の通り道の事である.太陽は星々の中を移動しているように見え,1年間で1周する.1年が12か月というのはこの黄道12星座からきており,12というのは1年を連想させる.実は薄明というのは1年間で長さが変化し,春や秋の薄明は短く,夏の薄明は長い.「秋の日は釣瓶落とし」という諺があるが,実際に1年で最も短いのが秋なのである.微分というのは様々な定義があるが,連続したものだけでなく離散的なものに対しても適用することができる.つまり,この十二からは日々変化していく薄明と1年の季節変化が連想させられる.
以上のように,この短歌には薄明という光景を詠うとともに,薄明というものがどこまで想像し思い描けているのかという,聞き手の観察眼が問われる難問のようにも思う.